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牙のあるオペラ
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word:赤頭巾
2009/1/7 (Wed.)
髪を整えてみる
久方ぶりだ。この感覚 「毛」ではない髪を触る感触
俺様の「形」はこれであってたんだっけか?
..まぁ構いはしない。どのみち覚えてはいないし 昔の形に似せるつもりも無い
死体から服を剥ぎ取る
たった今さっきまで一言二言交わした人間 今は死体
服は嫌いだ だがこれを身に着けなければ上手く化ける事は不可能だし 都会じゃ良質な服を着てないと女もひっかけれねぇらしい
人間ってのは理解し難い
久々に袖を通す シャツが毛の無い腕を滑る感覚がどうにもむず痒い
そういえば仮にも狼「男」だった事を思い出す
そうだこんな風に化けられるから「男」なんじゃねぇか
たまにはこの利点を使って遊んでみようと思いついたのさぁ
.............
今まで色んな客に
そうさくだらない客 下品な客 アブナイ客
色んな客に安ビールの銀ジョッキを来る日も来る日も運んでたアタシだけど
その男を見た時には 感じたことの無い震えが来たさね
酒が一番に届くカウンターの場所取りで小競る小汚い無精達とは違うのさ
無言のまま入ってきて何故か店の一番奥に陣取った
ボロい店内の電球はそんな末席まで照らしちゃくれないんだよ? だのにその男ったら真っ直ぐに最奥の席にまるで沈みこむように不恰好に座り込んで
..なんだいあいつはと思ってよく見たら
素肌にシャツと黒の皮のパンツだけ この寒冷季にだよ!?信じられるかい!?
男は黙ってアタシを手招きで呼んで...
安ビールを一度に5杯も頼んでそのままアタシの手のひらに直接銀貨を握らせた...
なんていうんだろう... 男の手がアタシに触った瞬間ね.. 電気が走ったのさ...女だけが感じる電気だよ
そいつはジワジワあたしを侵して ついには下を濡れそぼらせた
あの男を見ているだけで震える.. いや震えてしまうから目が合わせられないよ..!
ああヤダ!まだ仕事中だってのに..! 信じられない..!
.....
人間の雄は女の誘惑が下手だ
特に選ばずとも匂いで解る
飢えた雌をその気にさせるなんざ簡単なのに 人間の雄はこれが出来ないってんだお笑いだね
品の無い乳房を揺らしながら銀ジョッキを一度に5杯両手に運ぶその女
まぁこいつでかまわねぇさ 誰だってな 俺様の目的は一つだ
お世辞にもタイプだとは言えねぇ女だが構わねぇ
あの女が近づく度に雄の匂いを放出してやった
反応が手に取るように解る 簡単だ 簡単すぎてこみ上げる笑いを抑えるのがままならねぇ
その結果俺様はきっと牙を出してニヤリと女をねめあげていた事だろう
人間がいつ物に対して金を払うのかすっかり忘れちまってたから 女の手に直接銀貨を押し付けた
女が小刻みに跳ねる
簡単だ
最後に今までずっと伏せていた顔を上げて
女の目を見た
獲物を見つけた時と全く同じ視線でな より大きく口が裂けて牙が下唇に当たるのを感じる
そのまま舌なめずり
女は気をやったみたいな..くくっ馬鹿な顔して突っ立ってやがる
俺のケモノ臭い息を間近で嗅がせてやった
が
あえてここで生殺し 寡黙を気取って椅子に腰を下ろし 酒を飲みにきた男を演じた
女はハっと気づいてそそくさと引っ込んだが体からはもう雌の匂いしかしやしねぇ
その後店の裏手で5回ヤった
女は雄牛のように吠えて腰を振った これじゃどっちが本物の雄か解りゃしねぇ!
ああ笑いが止まんねぇ!
グッグッグ
人間に化けて女を犯すのもたまには楽しい
何故って?
女が俺の正体に気づいた時が最高のエンターテイメント!!!!!
寡黙な男はもうおしまいさ!!
さっきまで喜んでいた女の喘ぎが悲鳴に変わる瞬間がたまらねぇ
アーアーがギャァァァァ
最高のオペラ!!!
始まった瞬間から悲劇な物語もいいが
途中から怒涛の展開を見せる物語も捨てがたいろ!?
なぁ!?
おい!!
そう思わねぇか!!?
...
おや...
もう答える事が出来なくなっちまってるか
こいつぁすまねぇ
気づかなかったぜ
グッグッグッ!
俺様の姿はいつもの形に戻っていて
さすがに騒ぎを聞きつけた人間共が騒ぎ立ててる音が聞こえる
腕に絡まって鬱陶しいシャツの残りを引き裂いて
フレッシュミンチの上に捨ておいた
じゃぁな
あんたなかなかいい味出してたぜ!
たまの娯楽にはこういうのもいい
俺様主演のオペラ劇
自分でいうのもナンだが
久々の割には
いい「人間の演技」
出来てたと思うぜ?
アンタもそう思ったよなぁ?
可愛いフレッシュミンチさん
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